『走る意味〜命を救うランニング』金哲彦著 講談社現代新書 読了

zen58842010-04-11

○金さんは癌の治療について免疫学の安保徹先生の本を参考にしておられました。そのことによって、抗ガン剤を使わなかったそうです。私も安保先生の免疫学には関心を持ち始めたところです。

○金さんは作家高史明さんの甥っ子であることをこの本で知りました。そのことを知ってから、『走る意味』の書名は高さんの代表作『生きることの意味』(ちくま文庫)とひっかけたのだろうと頭に浮かびました。高さんのお子さん、岡真史くんは12歳で自殺、真史くんの詩集は『ぼくは12歳』(ちくま文庫)という本でまとめられています。実は私は中一のとき文化祭で劇「ぼくは12歳」の真史君役を演じました。そのことは何か私自身の中に強く刻まれています。真史君と金さんはいとこにあたります。このことから・・・こういってはなんですが、金さんは他人とは思えなくなってしまいました。

○最後の章、「走る喜びを伝える」のところでは、いわゆる市民ランナーとしての走る喜び、おもしろさの数々が書かれています。私自身、ここを読んで新たに発見があったし、大変気持ちよく読めました。とても感銘できたのは、数字よりも身体感覚を大事にしなさい、というあたりです。今後も走ることを通して身体感覚を磨いていきたいと思っています。

○金哲彦著『三時間台で走るマラソン』(光文社新書)はガンにかかって手術した後、あまり動けない時に書き下ろしたものだと知りました。死の恐怖と戦いながら書いたとのことです。私はこの本も結構好きで、いろんな人に紹介してきました。

○さらに私が好きな本、金哲彦監訳『無理なく走れる〈気〉ランニング』のことにふれられてはいませんでしたが、最後の章で「気」については結構書かれています。ボルダーに「気」を感じたというのです。金さんも、きっと何かそういったものにひかれる感覚を持っておられるのだと思います。

○いつか金さんと直接に「気」ランニングのこと、真史君のこと、そして走ること・・・について語り合ってみたいと思っています。